京蔵(浜松)
5年ほど前までは西区の支店にいたため、昼出られるときは、近くのはやたろうとか山岡家とかかつやとかをローテしていた。
その当時、京蔵がオープン。近かったからけっこう通った。
思えばそのくらいのときから市内でラーメン屋の栄枯盛衰が盛んになったような気がする。
名店と思われた店も今では閉店、または別の店になること多々。
その中でも、5年目にしていまなお行列を保っているのはさすがというべきだろう。
…前置きが長くなりました。
ようは、最近は遠くて行く気にならんかった京蔵に久しぶりに行ったよ、って話です。
今日も今日とて14:00着。
5年前と変わらない、マンションの一階テナント。小さい店ながら、やっぱり並んでる。しかし幸い外に5人待ち程度。
15分程度外待ち。
その後食券買って中待ち。
と思いきや、ちょうど一斉に出るタイミングだったようで、食券を買ってすぐ、店主によばれて着席。
tは定番の味玉つけめん特盛。
嫁は以前はなかった味玉辛つけめん大盛をオーダー。
冷やかあつもりかを聞かれ、tは冷や、嫁はあつもりに。
あ、つけ麺専門です。京蔵。
東京の六厘舎で修行した店主が出した店ってのは有名な話。
おや、今日は店主一人か。
前はいつも奥さんかな?もう一人女性スタッフがいたけど。あれはオープン時ピーク用のヘルプだったのか、ゆくゆくは一人でやるつもりだったのか。
一人でも、店主は冷静かつ迅速なオペ。
もともと落ち着きが感じられる店主だったが、さすが5年の積み重ね。さらに風格が備わったような。
着丼。
もり蕎麦でもまず蕎麦に注目するように、つけ麺で目がいくのはやはりまず麺。
極太ストレート麺。見るからに旨そうな圧倒的存在感。
燃費がアメ車なtは今日もこいつを特盛でいく。
山彦にはつけあと雑炊、七福神 壱にはおじやがあるが、京蔵ではライスを置いてるだけで、tは基本、頼まない。
京蔵の諸レビューを見ると、中には最後の割りスープにライスを入れる通もいるようだが。
tとしては、ここではひたすら麺を食べたい。
そして、その麺を受けるのはこのつけダレ。
麺とタレを絡めて啜ると、まず広がるのは圧倒的魚粉感。
高い粘度。
コナゴナした舌触り。
魚介と豚骨の実直かつ素直な、しっかりした味。
こいつが極太ストレート麺に実によく絡む。
麺のパンチに負けない、力強く旨いタレ。
魚介豚骨つけ麺、っていったら、やっぱこうでなくっちゃ。
しかしこの麺、ネット情報によると、六厘舎が使っている浅草開花楼の麺ではなく、別の製麺所の麺だそうな。
山彦は開花楼の麺使ってるって聞いたけど…
そういや山彦のは太いだけじゃなく、さらにウエーブが効いてた。
あの麺はたしかに旨かった。
それと比べるとこの麺は、麺だけみれば、もうちょい普通っちゃ普通か…
いやでもやっぱり京蔵は旨い。
結局バランス。
上記した通り、この麺とタレの組み合わせはすこぶる良い。
申し訳ないけどそれと比べると、山彦のは麺が目立ってタレはちょっと負ける…
そして嬉しいのは、特盛限定のつけダレお代わりサービス。
我々アメ車燃費の人種は、つけ麺を大盛りで食ってると、途中でタレが足りなくなっちゃうことがある。足りたとしても、最後の方が水っぽくなっちゃうことも。
お代わりサービスのおかげでその心配は全く無用に。
しかも、お代わりにも関わらず、注文すると、店主、タレを一からちゃんとブレンドしてくれる。
途中まで食べ進めてきて味が若干一本調子になってきた頃に、熱々の香り立つタレ追加。残りの麺を、新しい気持ちで楽しめるこの幸せ。
トッピングデフォのチャーシュー、メンマ、青葱も良い仕事。
煮卵も半熟でいい感じに。
割りスープもただ足すのではなく、一手間。
にくいことに、ここの割りスープには柚子が効いてます。
ワンオペの多忙さを一切表情に出さず、丁寧な受け答えでつけダレお代わり、割りスープをサッと出してくれる店主。
そういや、嫁が頼んだ辛つけめんは、何が違うかと思ったら、デフォに唐辛子粉が付いただけだった。好きなだけかけて、自分で辛さを調節するやつ。
ちょっともらって食べてみたけど、たぶん、ほんとにそれだけ。
デフォがそもそも旨いから、唐辛子が入っても当然旨いんだけれど。
券売機で、普通のつけ麺ボタンの列(特製、味玉、肉、玉肉つけめん)の下に、辛つけめんボタンの列が同じ数だけちゃんと作られていたから、タレの作り方が一から違うやつかと思った。
そんならわざわざ別売しなくても、トッピング「辛子」ボタンをいっこ付ければいいんじゃないかと思ってしまうが…
ま、デフォが旨いし、迷惑でもなんでもないからいいや。
で、その辛つけめんを食べ終わった嫁。
嫁は割りスープは頼まないつもりだった。そろそろ店を出るつもりで、つけダレの器をカウンター上に何気なく置いちゃった…
tもボサッとしてましたわ。
数秒後。
店主、器をサッと取り、ササッと割りスープを作って、出してくれちゃった。
あちゃ〜
何も言えるはずもなく、予期しなかった二杯目の割りスープは、何事もなかったかのように二人でいただきました。
忙しいところ申し訳ないことをしてしまった…
でも、ステキな対応でした。
紛れもなく浜松のつけ麺の雄。
トップクラスと言っても過言ではない。
相変わらず盤石の一杯でした。